最近、物価の上昇がえげつない事もありまして
アパート退去に伴う原状回復請求において
連続で揉め事が起こりました…ですので改めて
【原状回復】ってなんやねん？ってお話を
小分けにして説明させて頂こうかと思います。
で、初回は善管注意義務と損害賠償について
なるべく噛み砕いて説明させて頂きますので
どうぞ、フラットな気持ちでお読みください。
善管注意義務とは
多分、前にも書いているんですけど正式には
【善良な管理者の注意義務】という言葉でして
例えば、皆様が車屋で新車を購入したとして
その納車時にキズが付いていたりしたら
どう思うでしょうか？理由によっては傷の無い
別の車体と交換してくれと言いませんか？
この例で言うと、新車購入者が車屋に求める
（保管、納品時の）注意が善管注意義務です。
この話をアパート等の賃貸借契約で言いますと
皆様が借りていたアパートを退去する際に
1）年月の経過によるもの
2）通常使用によるもの
上記２つを除いた汚れや壊してしまった箇所の
修繕費用を求めるのが善管注意義務違反での
請求ということになります。言い換えると
通常使用を超える汚・破損を部屋につけない
注意をする義務があるという話ですね。
友達に車を貸したとして、車内がヤニ臭い上に
事故った状態で返却されたら困りますよね？
ってお話と全く同じレベルだと思います。
原状回復という名の損害賠償
これまでのお話をお読み頂いたのであれば
アパート入居者の皆様には、借りたお部屋を
丁寧に使う義務がある。という事について
充分なご理解を頂けたかと存じます。
先程の話でも触れましたが原状回復というのは
善管注意義務違反によって生じたアパートの
資産価値の下落分を請求するという話で
いわば、損害賠償請求という事になります。
損害賠償請求というのは契約違反だったり
不法行為によって生じた損害（不利益）の
補填（補ってもらう）を求めるという事です。
繰返しになりますが原状回復で請求されるのは
アパート入居者の使用状況を鑑みた上で
経年劣化や通常使用とは言い難い汚・破損を
修繕するための費用という事になります。
皆様がアパートの賃貸借契約を締結する際には
どういう決まり事での契約か？を書面化した
【契約書】という書類を取り交わします。
先程の損害賠償請求の内の契約違反での請求は
この契約書上の取り決めを違えたり容認事項に
抵触したことに基づく請求という事です。
→室内での喫煙等による壁紙等の汚損により
修繕の必要が発生した際の費用については
全額借主負担とする。みたいなやつ。
※借主に著しい不利益を課すような特約は
法律上、無効となりますので御安心下さい。
一方で、一応契約書上にも記載はしますが
善管注意義務については民法上の規定ですので
不法行為に基づく請求という事になります。
例えばアパート室内で軽微な水漏れが発生し
特段、生活に影響がないから退室時まで
水漏れの事実をアパートオーナー及び管理者に
報告しなかったことが原因で水漏れ箇所及び
その周囲に被害が発生したとしたら
場合によっては善管注意義務違反となります。
→報告しなかった事に重過失があれば
善管注意義務違反かと思われます。
本日のお話をまとめますと、賃貸物件退去時に
室内状況によっては請求されることもある
原状回復費というお金というのは、契約上や
法律上、当然に課される注意義務に違反したり
もしくは「やっても良いケド責任は取って」
と、予め約束した事柄をもとに要求している
損害賠償請求である。というお話でした。
次回、時間がある時に「なんで原状回復費は
ボッタくりみたいな高額になるの？」について
書いていこうと考えています。コレの答えは
超高額商品を信じられないほどの低価格で
借りるのに慣れて感覚がバグっているだけ。
っていうお話になりますのでご期待ください。
