中古住宅の売値が妥当かどうか?
いまいち解り辛いですよね。
多くの場合は新築建売に比べて
安価な事が多いので気にしない方も
多いかもしれませんが…
新築建売の場合、建築業者さんが
土地を仕入れ(購入し)て
上物(建物)を建築して販売するので
売値(販売価額)とグレード(仕様)は
ほぼ比例関係になる事も有り
あんまり割高感は感じないかと思います。
売値とグレードが比例→販売価額が高い物件の方が
仕様が良くなる傾向が強いという事です。
高い程、良い物を売っている可能性が高いという事
安い=質が悪いと断定している訳ではありません
一方、中古住宅の場合は
例えば、当時の高級仕様が現代の標準に
なっている事もあり(1坪風呂とか)
室内仕様だけでは値段設定できない
事も有り得ます。
今回は、解り難い中古住宅の売値は
どうやって決定されるのか?を
御説明させて頂きます。
最初に少しだけ考えて頂きたいのは
中古住宅の売主は誰なのか?です。
市場で販売されている中古住宅には
当然、売主さんがいらっしゃいます。
不動産業者が買取再販する場合は
売主は不動産会社になり
今まで使用していた方や相続者が
売主の場合は、各個人ですね。
この持主(売主)が誰か?という事が
後々の説明に大きく関わってきます。
持主が個人か業者か?は賃貸市場でも
大きな要素になってきます。
便宜上、一戸建(木造・軽鉄造)で
お話しを進めて行きます。
また、一戸建住宅の中古販売ですので
基本的に土地(建物敷地)の所有権も
一緒に売買するものとします。
築年数の経った一戸建の現在価値を
算出するには、幾つかの方法が有ります。
市場での稀少性や間取りの汎用性など
評価を加減する要素もあったりしますが
・立地、敷地面積の妥当性
・道路付け、接道幅員、前面道路の幅員
・地勢、土地の形状、近隣状況
他にも考慮すべき要素は有りますが
土地(建物敷地)に関して上記くらいは
見ておくと良いかもしれません。
立地(所在地)付近で販売中の更地を
確認すれば、中古住宅の売値における
土地の割合が把握出来るかもしれません。
敷地面積の妥当性ですが、
別に気にしなくても良いんですけど
小規模住宅用地の減額の特例という
固都税の優遇と、小規模宅地の特例という
相続税の優遇があります。
固都税は地方税。相続税は国税だったと思いますので
それぞれ、行政HPと国税庁HPで確認してください
道路付けというのは、敷地のどっち側に
接道しているか?という事で
基本的には南側に道路がある方が
(日当り的に)有利な条件になります。
また、一方(道路が1本利用できる)より
角地・二方・三方接道になるにつれ
より(土地だけ見た時)利用価値が高い
土地と言えます。
接道幅員と前面道路の幅員ですが
前者が、どれだけ道路に接しているか?
後者が、家の前の道はどれ位広いか?です。
どちらも車の出し入れ位で考えれば
充分かと思います。
(再建築が~とかは業者が調べてます)
地勢と土地の形状ですが
中古住宅(既に一戸建がある)場合は
地勢が、道路と高低差が無いか?で
将来的に造成(駐車場増やしたり)
したいときに工事費が高くつくか?を
チェックするという認識で良いと思います。
土地の形状に関しては、建物敷地が
旗竿地だった時に、周辺相場の土地よりも
少し坪単価を減少して考えれば良いかと…
ここまでを考慮すれば
(正確な算出で無いにしても)
中古住宅の売値における土地の割合を
ザックリと把握できると思います。
いよいよ建物の値段の考え方ですが
コッチは(基本の考え方は)簡単です。
木造は築22年・軽鉄なら築27年経過して
いれば残存価値はあまり考慮しません。
この様な新築の時に比べて現在の価値は
幾らなのか?で価格を求める考え方は
原価法と呼ばれています。
正確には、同規模程度の新築を
再調達する費用を求めて、経年による
減価修正を行い、築年相応の値段を
求める方法です。
築15年等の、上で言う残存価値が無くなる前位の
築年数の場合は再調達価格を計算して法定耐用年数を
元に減算すれば目安になる建物価格が割り出せます。
室内がキレイだったり、
住宅使用中に利便性を上げるような
リフォームが有ればプラス評価になります。
また、新築ではあまり見られない間取りで
市場での需要が見込めるならソレも
好評価として売主さんに伝えます。
この様な場合、実際の取引事例から
対象物件と条件が近い物件の取引価格を
データとして集めてその事例と比較して
価格を求める方法は取引事例比較法と言います。
逆に、一般的に見て必要以上に広い
6LDKとかは、良い間取りだとは
重々承知していますが、そこまで
査定への加点にはならないと思います。
6DLKで駐車スペースが4台以上とかなら
プラス査定する業者さん多いと思います
実需の場合は殆ど使いませんが
上記2つの不動産価格の求め方以外に
主に賃貸物件や店舗などで
その不動産がどれだけの収益(家賃)を
稼いでくれるか?を元に売値を出す
収益還元法という方法もあります。
いずれにしても、妥当性の目安を計る
目的であれば、細かい価格まで算出する
必要はないので、中古住宅の売値から
土地値を差引きし、残りが上物価格だと
思って頂いても良いかもしれません。
で、売主が業者の場合は
当然、上記の様な事は想定済みですので
皆様が売値に価値を感じる様に
リフォームなり値付けなり
駐車スペースの造成なりを行っています。
売主が個人の場合も、査定業者から
上記の様な説明を受けるのですが
自分の想定<査定額 になってしまうと
売主さんが値段を受け入れにくいので
希望売却価格に沿った売出しをする
ケースが有ります。
上記で導き出した価格を
その中古住宅に支払う事に皆様が
バリュー(価値)を感じるか?
という認識で見学しても良いですね。
但し、その場合はどんなに普段が
穏やかな人でも、心の中に潜む悪魔が
「ケチをつけろ」と囁いてくるものです。
なので、「新築でこれを建てたら
○○○○万円はする」という事実を
しっかりと把握する必要があります。
言われた通り、売値-土地値したら
0orマイナスなんですけど…
そんな物件を見つける事もあると思います。
万が一、上記の様な事態に陥ったら…
物件の抱える瑕疵を許容できるなら
秒速で買った方が良いと思います!
滅多に無いor深刻な負の要素がある物件
なので、実需(自己居住)用で
中古住宅を探されている方にとっては
魅力が感じられないかもしれません。
ですが、中古を買って人に貸すんや!
という一部の投資家さんとっては
もしかしたらお宝になるかもしれないので
それらの人への転売の為に買うのも
人生と与信をかけたギャンブルと考えれば
アリかもしれませんよ?
完全にナシなので自己居住用をお探しの方は最後の段落は
スルーでお願いします。また、仮に上記の文を妄信し
全く持って転売できなかったとしても責任は取れません