近年、地方都市の不動産価格は
減少傾向にあるのは皆様も周知の通りです。
今まさに不動産を取得しようと
ご検討中の方々にとっては、かつてよりも
安価に不動産を購入できますので
そこだけみればいい時代ですね。
ですが、以降も不動産の評価額が
下がり続けたとしたら、それは本当に
皆様にとって良い傾向なのでしょうか?
不動産の評価額(ここでは土地値)が
上昇(値上り)して欲しいと願う人は
沢山いらっしゃいます。
行政・売主・相続予定者・地主…
言ってしまえば、今まさに不動産購入を
検討している方々でさえ、購入した途端
土地値の値上りを願う人になるといっても
過言では無いと思います。
不動産を購入した際に発生する
不動産取得税(軽減・減免有)も
保有する事で発生する固都税(同)も
特に居住目的の場合は全体から見て
そこまでの出費にはなり得ないので
既に不動産を保有している人やこれから
不動産を取得する人から見れば(購入後は)
資産価値は下がるより上がった方が
どう考えても良いという事になります。
また、居住目的での不動産に課せられる
税額は土地値の上昇が有ったとしても
微々たる増加にしかならないとしても
税収の増加が見込める行政としても
土地値は値上がりした方が良いですね。
というか、地方都市で所狭しと建物が乱立する場所なんか
殆ど無いので、更地になっている場所等から発生する
固都税も多くなりますから言うまでもなく
行政側は不動産価格上昇を願っていると思います
企業に土地を貸して借地料を得ている
レベルの地主さん等も、土地の評価額が
上昇するようであれば借地料の値上げにも
繋がると考えられます。
私達、不動産売買を仲介する不動産業者も
売買成立価額に一定の利率を乗じたものが
請求できる手数料となりますので
不動産価格は上昇して欲しいと願っています。
宅建業法の改定で売主へ請求する手数料については
最低価格(18万+税)が認められるようになったので売れるなら
片手同然でも止む無しと考える人もいるとは思いますが
これは簡単で、需要と供給のバランスと
市場原理によるものだと言えます。
まず、日本が今後迎える超少子高齢化社会と
人口減少は不動産市場で言えば
買手の減少を意味しています。
人口の減少がダイレクトに不動産価値を
下げているというよりは、
1910(明治43)年では約5000万人で
かつ拡大家族(一つの家を複数世帯が使用)
だったのに、たった100年で人口が約3倍に
また、1970年頃からは核家族化が顕著化し
国土の住宅に適した土地は勿論、
そうでない土地も開発して住宅地として
使用してきた事などが複合的に絡んで
土地値が減少しているのだと思います。
要は、今現在宅地として使用されている土地面積は
人口減少後の目線で言えば過剰供給状態という事です
現在においても人が集まる都心部は
地価上昇を続けており、同じ都内でも
やや不人気エリアで駅からの徒歩距離が
15分を超えるエリアに関しては
地価が前年比マイナスになっている
地域もあります。
要は、都心であっても
【より便利な所】や【人気があるエリア】
に買手が集中し、そうでない所に関しては
強烈な需要が発生し難いので
売値に魅力を付ける→結果、安くなる
といった現象が起こるわけです。
都心部で起こった現象は
周回遅れで地方都市にも発生します。
今現在、地方都市の地価は全体的に
緩やかな減少を続けていますが
一定の水準に達した時or行政が本気を出して
コンパクトシティ化に取り組んだ時には
地価の減少が止まるor値上りする地域と
減少が加速する地域が現れると
(私は)強く信じています。
だって、今後の日本は人口が減少するのに
わざわざ不便なエリアに
居宅を構える必要って無いですよね?
しかも、コンパクトシティが達成できれば
市街地に住むこと=老後の利便性を確保
にも繋がってくるので上記以上に
街中で家を買った方が安心できそうです。
今回のブログタイトルにある
不動産の価格(地価)は皆様(購入者)次第
とは、まんまその通りで
不動産購入をするその時だけでなく
購入後の未来を見据えて頂ければ
現時点、地方都市であっても
エリアに優劣が付きますので需要に対して
供給が少ない状態→土地値の上昇
地価の変動が起こり得るという事です。
遠い未来の事を正確に予想する事は
確かに困難な事ですが、
区画整理を行っている土地とか
計画道路の建設に着工したエリアなど
様々な、街の動きに注目すれば
大外れを避ける予想くらいなら
そこ迄難しくないのではないかと思います。