現在、ご実家暮らしで
初めてのお部屋探しをする方は
あまり気にされないようですが
今までアパート等にお住まいだった方が
お引越しをされる時は、高確率で
「アパート退去時にいくら位の
お金が必要になるんですか？」
と言うようなご質問を頂きます。
…契約書による！としか言えません。
でも、栃木県内の賃貸契約は大体の場合
・ハウスクリーニング
・原状回復義務にあたる事
上記の2つ位では無いかな？と思います。
簡単に言えば、
「貴方が入居する前に実施した様に
室内清掃と、貴方が使用した事によって
毀損してしまった建物価値の減少分を
回復（復帰）させる費用を請求します。」
という事です。
ハウスクリーニング（室内清掃費）に
関しましては、アパート契約時に
重要事項説明なり契約書の説明なりで
聞いていると思いますので
費用に関する不安は無いと思います。
では、原状回復（毀損した建物価値の復旧）
って、どれ位の事を言っているのか？
気になる・不安になる方もいると
思いますので、その辺のお話を
させて頂きたいと思います。
【まず、原状回復義務とは？】
国土交通省HPの「原状回復をめぐる
トラブルとガイドライン」によりますと
・賃借人の居住、使用により発生した
建物価値の減少のうち、
賃借人の故意・過失、善管注意義務違反
その他、通常使用を超えるような
損耗・毀損を復旧する事
と定義されています。
見難いですが、上のグラフは
新築時に1000の価値が有った建物に
年月の経過で、価値700の頃に入居し
順当に行けば退去時の建物価値は
500有るはずだったのに、
入居者の使用によって350程の価値しか
無くなってしまったので、その差
150が原状回復義務にあたる分です。
というグラフです。
項目毎に説明します。
１ 建造物には法定耐用年数という
概念が有ります。
簡単に言えば、何年位価値が持つか？
についてのルール（目安）です。
例えば、新車を買うなら
300万円出すかもしれませんが
中古で同じ車種が300万円したら
買いませんよね？
同じように建物も、新築時が
最も価値が高くて、年数が経過する毎に
少しずつ価値が減少していきます。
この様な、時間の経過で減少する価値を
経年変化（劣化）と言います。
正確に言えば上の話は課税評価上の価値と
減価償却の事なんですが、
経年劣化と原状回復の説明として解り易いので
この様な説明とさせて頂きます。
２ 1での説明の様に、賃貸物件でも
そのお部屋の価値は年々減少します。
戸建・アパート・マンション等の種別
と言うよりは、お部屋の内装部分の
（クロスやフローリングなど）
価値の減少についてなので、
賃借した物件の種別・構造は
関係してきません。
３ お部屋の内装や設備にキズ・汚れを
付けてしまった際、その原因は
わざと・うっかり（故意・過失）
自分のじゃないから雑に扱う
（善管注意義務違反）
土足で生活とか、キャスター付きの
椅子をフローリングで使用
（通常使用を超える損耗・毀損）
上記の様に様々な理由があると思いますが
とにかく、本来の価値の減少以上に
マイナスにしてしまった部分を直す
というのが原状回復とされています。
【原状回復費を請求される事って？】
正直、1つ1つあげていくとキリが無いので
他の事に置き換えてみます。
例えば、皆様がずっと欲しかった
貴重品（車がイメージし易いかも？）
を家族・友人・職場の知人が
「使用料払うから少し貸して！」
と言ってきたとします。
後日、返却された物を見てみると
・キズ、凹みが付いている
・車内がタバコ臭い
・シートに穴が開いている
・車内がゴミだらけ
・鍵が不足している
・洗車すれば落ちそうだが、汚れている
こんな状態で返却されたら
悲しくなりますよね？
皆様同様、アパート等の大家さんも
大切に扱ってくれていない痕跡を
見ると悲しい気持ちになります。
また、先ほどの車の例で言えば
最低でも修理費用を払って欲しいですし
なんなら、新車で返せ！！！って
怒る方もいらっしゃるかと思います。
この、「最低でも修理費用」が
アパート等で言う【原状回復】だと
思って頂ければ良いかと思います。
ですので、自分がアパート持主なら
入居者さんに〇〇されたら嫌だな～
と、思う様な事は、避けて頂けますと
大変有難く思います。
退去清算と言うのは
アパートの使用状況が良好であれば
大家さんも、入居者さんも
晴れやかな気持ちで次に進めます。が
劣悪な使用状況であった場合、
大家さんも、なぜか入居者さんも
不満爆発ですので、
不動産屋が最も嫌な思いをします。
