先月（２月）末、いつもの様に事務所で
ソリティアお仕事をしている私の元に１本の
電話がかかってきました。発信者は義父…
週末の朝からどうしたのかな？軽い気持ちで
電話に応じると、何やら慌てた様子です。
最近、義両親の北東側隣地が売買になり
土地を購入した建売業者が土地の境界に塀を
造成しようとしいたら、義両親家の境界の塀の
一部が隣地に越境（はみ出していた）様でして
それの是正（はみ出した部分を削る）工事費を
半分負担しろ！と言われたとの事でした。
義父の相談内容は、上記の工事費を自分も
負担しないといけないのか？という事。
→義両親の家は、周囲の土地より一段盛って
造成しているので、長い年月で隣地の
越境部が埋没した。という案件でした。
この様な話（相談）を受けて、私が最初に
義父に確認した事。それは…
・お家を建てて何年経ちました？
これだけです。義実家は少なくても築20年は
経過している建物ですので、全くもって
（私は）心配していませんでした。
義父の回答は、30年近く前に家を建てた。
「じゃあ、そこもお義父さんの土地です」
不動産にも時効がある！
普通に生活をしていると、時効という単語は
例えば罪を犯したけど、長い年月が経ったので
反省しているでしょ？という概念で罪を適用
する事が出来なくなる。という言葉にしか
捉えられないと思います。
本来、【時効】という言葉は
→長い間続いた状態を尊重して、その状態が
法的に正しくなくても、その状態を正当な
法律状態と認める事。
という意味でして、先程の例で言えば本当なら
服役して罪を償わなければいけないのですが
長い事、逃げ果せたりしたのであれば
その（収監されていない）状態で適法！
と、認めるという事なんですかね？
※細かい解釈は弁護士先生へ！
不動産業でよく使う【時効】とは、もっぱら
【時効取得】の事を指します。
不動産の時効取得とは、例えば他人の土地に
ブロック塀を建てて、特段の争い事もないまま
20年経過すると、ブロック塀を建てた底地が
塀の所有者の土地になる裏技（？）です。
また、仮に他人の敷地を自分の敷地だと誤解し
その誤解に落ち度がない状態であれば、
底地の所有権の主張は10年後からできます。
20年の方を長期取得時効と言いまして
10年の方は、短期取得時効と言います。
義父からの相談案件は長期取得時効でも
時効の援用が適う案件でした。
ここで、当事者が私であれば建売業者に底地を
購入するか？歪な地型で造成するか？の
性根の悪い２択を迫るのですが（しません）
義父は他者と争う気が無いようでしたので
造成費を折半はしないが、土地の権利も
争わないという和解策をお勧めしました。
書いていて思ったのですが、建売業者さん
いくら何でも糞過ぎへん？酷くないですか？
相手の無知に付け込み過ぎではなかろうか…
確かに、利益相反する当事者間で、自社の
損になる様な事実をオープンにするのも
なんだかな…となるのは分かりますが
かといって、君らの初期対応は
・造成費を半分出せ！
だったわけで、それは流石に無いだろう…
＆建売を建てる時に地域で遺恨を生んでおいて
売れた後の、購入者の生活とか知らん。
っていう事なんでしょうかね？
